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春の高山祭 山王祭の屋台 〚1〛 [御法縁]

昼食の後は、Ry君とも合流して三人で祭り屋台の見学です。
春の山王祭に曳き出される屋台は全部で十二基。 この内の三基が先ほど陣屋前の交差点(お旅所前)でからくり人形の技を披露してくれたもので、まずはこの三基の屋台から見学しました。
下の写真は左側から、三番叟(さんばそう)、石橋台(しゃっきょうたい)、龍神台(りゅうじんたい) です。

三番叟 石橋台 龍神台.JPG

『三番叟(さんばそう)』 とは、能楽の「翁」が 烏帽子をかぶり扇と鈴を持って演ずる舞で、このからくり屋台では、童人形が機関樋(からくりとい)の先端に移動して、聯台(れんだい)上の扇子と鈴を手にし、面筥(めんばこ)に顔を伏せたところで白髭の翁の面を被って、謡曲「浦島」に合わせて仕舞を演ずるというからくりになっています。

『石橋台(しゃっきょうたい)』 では、長唄の「英執着獅子(はなぶさしゅうちゃくじし)」に合わせて、舞っている女性が機関樋(からくりとい)の先端に移動すると打掛が反転して狂い獅子に変身したまま舞い、そしてまた元の姿に戻ったところで両手に紅白の牡丹の花を持て千秋万歳と舞い踊るというからくりになっています。

『龍神台(りゅうじんたい)』 は、錦布で包んだ壷を抱えた唐子が機関樋(からくりとい)の先端まで移動して、聯台(れんだい)の上にその壷を置き、謡曲の「竹生島(ちくぶしま)」に合わせて唐子が舞いながら引き返そうとすると、突然その壷が開いて、中から大きな赤ら顔の竹生島龍神が五色の紙吹雪を舞い上げながら現れ、撞木(しゅもく)を振りかざしながら髪を振り乱して荒々しく舞うというからくりです。

そして、お旅所前に もう一基 曳き揃えられていた屋台は、神楽台(かぐらたい) で、これにはKHさんのお仕事も施されているのだとお話しくださいました。
下の写真は左側から、神楽台(かぐらたい)、五台山(ごたいさん)、崑崗台(こんこうたい) です。

神楽台 五台山 崑崗台.JPG

『神楽台(かぐらたい)』 は、唯一屋根のない屋台で、上段に平胴の大太鼓をのせた独特の形をしていて、祭礼では全屋台を先行する指揮車としての役割を担い、屋台後方にある一対の龍頭剣を付けた竿は、巡行における魔除けになるのだそうです。
台上では、侍烏帽子(さむらいえぼし)、素襖(すおう)姿の楽人5名が、付随している獅子舞の囃子 ‘場ならし’ ‘高い山’ ‘一つ上げ’ などを演奏します。
屋台には、彩色された牡丹や獅子(唐獅子牡丹)、そして柱や欄干には龍の彫刻が施されています。

この後、本町通りを少し歩いて主不在の屋台蔵を見てから、再び戻って朱塗りの中橋を渡り、神明町の交差点より南に向かってずらりと曳き揃えられた屋台を見に行きました。 その並び順に、

『五台山(ごたいさん)』 という名は中国の山名からきていて、中国仏教の伝承では文殊菩薩さまと文殊さまがお乗りになる獅子の住まう山であったと伝えられ、これにちなんだ装飾の施されている屋台です。
五台山では御簾は使わず、中段の三方には、丸山応挙が下絵を描き京都西陣で刺繍した唐獅子牡丹の大幕が用いられています。 また、見送りの「雲龍昇天図」の墨絵は、京都西陣で職工ら数十名が半年かけて織った綴錦織筆の名品です。
そして下段の彫刻は、彩色された牡丹と飛獅子が彫られています。(諏訪の立川和四郎作)

『崑崗台(こんこうたい)』 は、高山祭の屋台の中でも古くから存在し、以前は中国故事による林和靖にちなんだ唐子のからくり人形を乗せていたそうです。
名前の由来は中国随一の金銀の産地「崑崗」にちなみ、切破風屋根に6本の金幣をたて、屋根上には金塊を表す宝珠を乗せてこれを表現しています。
見送り幕は寿老人と鹿を描いた中国産の刺繍で、装飾は少ないですが、上段には雲と太陽と月が彫刻され、中段には彩色された牡丹の彫刻がされています。
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