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高山支部報恩講 (後編) [座談会・懇親会]

報恩講の準備もひと段落して、ちょこっと休憩したいな~ぁ・・・ なんて思っているうちに報恩講さんは始まりました。
まずは、『禮讃文』と『正信偈』と『六首引き御和讃』をあげさせていただき、続いて『御文章』をいだいたのですが、でも、まったくの他所事・・・。 阿弥陀さまも、親鸞さまも、スッポリと抜けてしまっている・・・。
勤行の後にお斎をいただきながら、「あぁ、報恩講だったわね~!」なんてやっと気付く程度です・・・。

初日の御法話は、「『正信偈』とは…」 という大枠からお話ししてくださいました。
ここは先月の輪読法座でもお聞かせいただいたところですが、『正信偈』は、親鸞さまの信仰体験の告白であり、その喜びを話すことが如来さまの御徳を褒め称える仏恩になるのだと教えていただきました。
思い返せば、縁あって浄土真宗と出遇い、最初に興味を引かれたのが『正信偈』であり、その内容が知りたいという思いから私の聞法はスタートしました。
そして去年、報恩講の世話人をさせていただきましたのをきっかけに、「御恩徳」ということが初めて自分の中で問題になってきたのであります。
それまでは、「この御恩、どうお返ししていこうか」と、恩を返すことの出来る自分だと思っておりました。
それ以前に、「如来さまの御恩徳を、いかにして深く感じることが出来るようになれるのか」と、恩を感じることの出来る自分であることを前提にして、機(私自身)の詮索ばかりをしていました。
ところが、知れてくるのは自分の欲望を満たしてくれたものに対する薄っぺらな感謝の気持ちしかない。
そして自分が受けた喜びの分量を自身の都合で推し量り、これを対価計算したものを返すことで、「この恩は返した」と自惚れるばかり・・・。
私が見聞していない所でどれほど広く深い御恩徳があったのか・・・、私の存知しない所でいかほどの手厚い御恩徳が今も働いているのか・・・、そんなこと微塵も考えたことなどありませんでしたし、まったく気付きもしませんでした。 いえ、たとえ気付いたところで、「こんな私」ではこれを御恩として感じ得ることなどなりえないのです。
ただ、人智でわかる範囲のところから教えてくださる先輩がいます。 御法のところから説き開いてくださる先生がおられます。 こうした身で聞いたところから指し示してくだされる先達方の御苦労の結果として、今、ここの私のところに届けられた御恩徳が、いかに 尊く 大きく 深いものであるか・・・、それをお聞かせていただく御縁の一つとして、報恩講さんがあるのだなぁ~ というのが私のお味わいです。

初日の法座が終わった後は、お楽しみの懇親会で、ここでも美味しいお酒やご馳走が振舞われます。
少々眠たい目をこすりながらも、深夜遅くまで ワイワイ ガヤガヤ と 凡夫まるごとをさらけ出しつつも、その話のすべてが御法になって行く不思議・・・。 すべてが仏法領のものであり、何一つとして仏さまの願いのかかっていないものはないのだと、フッとした瞬間に感じさせていただける不思議・・・。 他の命を喰らいながら、愚痴ばかりを吐き出しながら、その口から 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」と飛び出してくださったお念仏が、御恩報謝になるというのだから・・・ まったくもって不思議、不思議・・・・・・。

二日目の午前の御法座では、『正信偈』の構成について教えていただき、その日の午後は、『正信偈』の最初の二行 「帰命無量寿如来 南無不可思議光」についてその御心をお聞かせいただきました。
「南無阿弥陀仏」は、「早く来い! 今すぐ来い!」との如来さまの招喚の勅命。 その命令は、上から頭ごなしにではなく、私の足元で、「お願いだから今すぐに来て!」と額を地に付け、血が滴るほどの絶叫で呼び続けてくださっている大慈悲心なのだと・・・。 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

御法座の後は、S先生とTuさんと三人でイタリアンレストランにてディナータイム。
久しぶりにS先生とゆっくりお話しする機会に恵まれ、本当に何から何まで「私のため」でした。
と言うことは、御恩を恩とも存ぜぬ私が、いかに大きな御恩徳を賜っているのか・・・ ということ。
大願のもとの御苦労をほんのチョッピリ感じさせていただきながらも、報謝の心は泡のようにはじけて終わり・・・。 その報謝の念も如来さまからのいただきもので、私にあるのは高慢な自惚ればかりです。
私の迷いは果てしないな~ぁ   南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
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