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元日の火災 [随筆日記]

今日のお昼を少し過ぎた頃、地域の防災サイレンが鳴り渡りました。
「お正月早々に防災訓練かしら? あぁ、もしかしたら消防の出初式?」なんて思いながらもパソコンに向かい続けていたのですが、しばらくすると今度は消防車のサイレンが聞こえて来たので、「あら、火事だったのね?」と、やっとパソコンから道路の方へと視線を移したのですが、その消防車が家の前を通り過ぎたところで徐行を始めてサイレンを止めたので、今度ばかりは「えっ?!」と驚き、慌てて道路に面した窓のある階段の上の窓を開けてみると・・・、 お茶畑を挟んだ向いの家から出火しているではありませんか!!
1.1 火災.JPG炎は民家を丸飲みするように包み込こんでおり、隣りの材木工場の窓からは黒煙が噴き出して、その排煙が風に乗って我が家の横を勢いよくかすめて行きました。
消防車が次々に到着する頃には、野次馬らがどこからともなく集まって来て、車道はたまたま通りかかった見物客で大渋滞となり、人と車のお祭り騒ぎの様相となってきました。
そうこうしている間に煙火は風下にあった商店に襲いかかるが如くその手を伸ばし、これを消防隊員らが必死で阻止している中、先ほどまで黒煙を上げていた材木工場の屋根が炎で吹き飛び辺りは瞬く間に火の山の様になってまいりました。

向いの家と言いましても お茶畑を挟んでおりますので、その距離は 200mほどあります。
また、風下ではありましたが、30度ほど角度がずれておりましたので、「まぁ、我が家に飛び火の心配fないだろう・・・」 との見解で、人の不幸を遠巻きに眺めながら、ロイヤル席から野次馬たちに心中でヤジを飛ばしておるような、 なんとも醜い私であります。
おまけにカメラまで構えて、BLOGネタにしてやろうだなんて・・・・・、 はぁ~゛、なんて 酷い!

昨夜、ブログに 「無常」だの、「後生」だのと書きましたが、隣りの家が全焼しているのを、今、目の前にしていながらも私ってこんなんなんです。
全くの他人事です。 私は大丈夫と安心しきっています。 この二年間、私は何を聞いて来たんだ?
狂ってる・・・、 まったく狂ってます・・・。
自分を横に置いて野次馬たちを見下し、人の不幸をあざ笑うかの如くネタにしている私って・・・。
自分でも気味が悪いほど、醜く 恐ろしいヤツです。

冷たい北風にあおられながら、遠巻きに燃え上がる炎を見みつめていた時、二つのことが思い浮かびました。
一つは、以前 G先生に言われた 「あんたは熱湯を浴びせられたら熱いと思う前に、熱い!と感じるやろ~!!」 とのお叱りを受けた時の言葉です。
そしてもう一つは、お釈迦さまの「四馬(しめ)」の譬えです。
「四馬」とは、四種の馬に譬えられた教えで、第一の馬は、鞭で打たれたわけではないのに御者のふりあげた鞭影(ムチの影)を見ただけで驚いて走り出す馬です。 
第二の馬は、その鞭が毛の先に触れた瞬間にハッと驚き走り出す馬です。
第三の馬は、振り下ろされたその鞭がピシャッと肉に当たって、その痛さに驚いて走り出す馬です。
そして第四の馬は、ひどく打たれながらもその痛さが骨身に徹しないと走り出さない馬で、これを駑馬(どば)と言います。 つまり鈍い馬と言うことです。

私は・・・、 そのどれにも属さない・・・。 第五の馬です。 例外であり、番外です。
熱湯を浴びせられても、熱いと感じるか感じないかのところでゴチャゴチャと自分をさばくっているだけ・・・。
また、どれだけひどく鞭に打たれても、骨身に沁みない自分なのだから仕方ないじゃん、などと居直るばかり・・・。
だから「唯除」されたんです。 例外の例外、 番外の番外で、全くお呼びでないヤツなのに・・・・
それなのに、そんな私だから呼んでくださっていた。 南無阿弥陀仏

この火事で電線も焼かれて、ご近所一帯が停電となりました。
寒気が来ている元日に、暖房器具が一切使えなくなりました。 照明も消え、パソコンも、電話も、冷蔵庫も動かなくなり、ライフラインが停止してしまいました。
なくなってみて初めてわかるのですね~、 あぁ、こんなにも電気に頼っていたんだ!って。
知っているのに知らなかった・・・。 当たり前だと思っていたけど当たり前ではなかった・・・。
この身体も、なくなってみて初めてわかる・・・、では、遅すぎるのです。

元旦に隣家の火災・・・。 また、私のために犠牲になって教えてくださった。 それを、こんなにも軽く流している私って・・・・・。  果てしないなぁ~、私は・・・・・

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