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『親鸞展』 ひっかかり編 [御法縁]

結局、今夜も眠れそうにありません。 もうすぐ夜が明けてしまいます。
もう雪は降っていませんが、お庭は薄らと白くなっています。 積雪2~3cmはあるのかしら?

前BLOGの続きですが、今度は引っかかりを感じたところを振り返ってみようと思います。

一番に引っかかったところですが・・・、 展示会場に入ったところに掲げられているパネルに書かれてあった文章の一節です。 それが、一緒に行った法友とは、別々のところで引っかかりを持ちまして、相手が引っかかったところにはお互い引っかからず・・・、 これを互いに議論しあっているところがまた面白くもありました。
だって、「法論」ではなく「議論」なのですもの! 仏法を語っているようでいて、その実、ただ単に自分の意見を申し立てているだけなのですから、熱くなればなるほどに笑えて来ました。

まず、私が引っかかりましたのは、「私たちは、誰ひとりとして例外なく生きる価値のある存在なのだ」 という文章です。
考える間もなく、私が生きているということは、多くの命の犠牲の上に君臨しているということであり、その命の代償をあがなわずして、「私は生きている価値のある存在なのだ!」とは、とても言えないと思うのです。
「私が生きる」という欲を満たしているということは、私が食している命の犠牲だけではなく、数限りないもののおかげさまと、そこには私のための犠牲が常にあるだと・・・、 これに「ハイ、その通りです!」と頷くことは出来ずとも、自分のやっていることを一つ一つ見ていけば、これを否定することなど出来ません。
でも、法友は言いました、「だけど、人として生きているから御法が聞けるんでしょ! それは生きている価値ではないの?」と・・・。 

人間として生まれさせていただき、これを価値のあることだとするか・しないかは、こちらの判断基準でモノ申せることでは全くないと思うのです。
確かにパネルに書かれてあるように、また法友が言うように、「人は皆、生きる価値のある存在」なのかもしれません。 でも、その「価値」って、どんな価値なのでしょう?
もし、「価値」があるとするのならば、それは、私が口にできることではないと思うのです。
「人身受け難し 今已に受く。 仏法聞き難し 今已に聞く。 この身今生において度せずんば、さらにいずれの生においてか この身を度せん。」
これは、私を仏法に引き付けた『三帰依文』の文頭ですが、やはり、「なぜ生まれさせていただいたのか」、「なぜ生かさせていただているのか」、「これらを抜きにして生きるということはど~ゆ~ことなのか」という疑問と出遇わせていただき、その解決の完了をもって初めて「生きる価値」というものが出てくるのではないでしょうか?
しかも、その「価値」は私の方が云々言えるものではなく、あくまでこの身をくださった真実の方が持たれる意味だと私は思うのです。

また、その法友が引っかかった文章というは、「“南無阿弥陀仏”を称えれば、すべての人が極楽浄土で救われる」 というところでした。
言葉尻の上げ足はともかくとして、「“南無阿弥陀仏”一つで救うぞ!」 と言うのが阿弥陀如来さまのお約束であり、 「“南無阿弥陀仏”に極楽往生させるための力を込めたぞ!」 とお誓いくださっているのです。
そして、「これを必ず受け取ってくれる」 と信じてくださっているのも阿弥陀如来さまなのです。
これに対して、「お念仏は、称えりゃいいってもんじゃないでしょ! その御心を聞かせてもらわにゃ~ならん! これを「ハイ!」と受けにゃ極楽浄土には参れんだろう!」 との意見を申し立てているのはこちらの側の話です。
こちらがいくら 「お念仏だけでは物足りない」と思っても、「如来さまのお心がわからないから救われない」と思っても・・・、何を思おうと、何を言おうと、すべて私の言い訳と計らいでしかありません。
そんな私に向かって、私の知らないずっと ず~っと昔の過去世より、「“南無阿弥陀仏”になってお前を救う! 必ず極楽浄土へ参らせてみせる!」と 如来さまはお誓いくださっているのです。
その誓いに…、その真実に対して、「称えただけでは救われるはずがない!」と私は自分を立てて、長い 長~い間、如来さまを泣かせ続けて来たのです。 
これをいつまで続けますか?
私の願いはコロコロ変わります。 でも、阿弥陀さまの願いは、「“南無阿弥陀仏”を称えておくれ、救わせておくれ」 という、その一つを私にかけてくださっているのです。  南無阿弥陀仏
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