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今、「聞く」体験 [心]

16年前の今日、阪神・淡路大震災が発生いたしました。
あの日、早朝に大きな地鳴りで目を覚まし、遠く離れた愛知でもその揺れに不安を覚えたのですが、夜が明けてからのテレビニュースに写しだされた数々の映像は衝撃的なもので、数時間前に日本で起きた事とは思えぬようなものでした。

東海地区に住んでいる者として、揺れが起きるといつも、「ついに来たか・・・」と、生れてこの方ず~っと騒がれている東海地震か東南海地震が来たのではないかとまず思い浮かびます。
ですから、揺れ始めて最初に思うことは、「この地震は、本物? 偽物?」と、この地に必ず来ると予知されている大地震かどうかを審議する考えが占領し、その揺れが小さければ、「あぁ、まだ本番ではなかった」と安心するのですがね・・・、これって随分おかしな反応ですよね?!
私の予定では、揺れ初めと同時に 「ついに巨大地震が来た! この命を守るためにどうしたらいい?!」と慌てふためく姿が想像されるのですが、実際は、「どうせこれも小さな地震だろう・・・、大丈夫、大丈夫、 たとえ大地震が起きたとしても、私はまだ死なん、私だけはきっと助かる・・・」と、恐ろしいほどに呑気に構え、無常も何もあったもんではありません。
とても とても 「次の瞬間にはとんでもないことが起きて、この私が死んでしまうかもしれん!!」とは想像に難く、災難も死も、自分とはまるで無縁なところに追いやっているのです。

1.19 メモリアルパーク・希望の灯り.JPG去年、神戸に遊びに行ったおり、メリケンパークにある「神戸港震災メモリアルパーク」に立ち寄りました。 神戸港も震災の被害を受け、その岸壁の一部を被災当時のままに保存してある所です。
また、東遊園地にある阪神・淡路大震災の復興のモニュメントや1.17希望の灯りも見てまいりました。
そして以前、神戸ルミナリエにも行きましたが、
しかし・・・、 どれもこれも震災の追悼や復興を伝えるものという意味を有しながらも、惨事・災害の「サ」の字も感じられないというのが正直なところです。
もっともこれは、私の側の問題であります。 たぶん、私にはその体験がないからでしょう。
それ故に共鳴する心もなく、そこのところで共感的に動く心もありません。
今日も各地で震災の体験者や遺族らの講演会などが催され、これらをメディアを通じて見聞きさせていただいたのですが、そこに心情的な共感は生まれても、それは人の体験を通して感じた私の思いでしかなく、その人の体験や心情は共有できるものではありません。
自分でも小難しいことを言っているなぁ~ とは思いますが…_(^^;)ゞ、 仏法における体験も同じなのではないかなぁなんて思ったわけであります。

真宗の「一念の体験」というものを、私は過去に空想し続け、求め続けてまいりました。
人の体験談を取り込んで自分に当ててみたり…、 自分に起きた「気付き」の体験、その一つ一つを その度ごとに 大切に 大切に握り込んでみたり…、 振り返ってみれば、私の聞法は、「理想の体験」を得るためのものであり、そこに確信があるのだと・・・、 そうであってほしいと願っていたのでしょうね。
人によっては、「体験なんて一度もない」とおっしゃる方もおられるでしょうし、私のように「何度も様々な体験させていただいている」という人も少なくはないと思います。

今、言えるのは、その「体験」というものがゴールではないということです。
「気付きの体験」というもののどれ一つをとっても決して嘘ではないと思うのです。 そのすべては如来さまからの廻向によって体験させていただいているのだと私は思うのです。
また、「一念の体験」というものも、ハッキリしている人、していない人と、人それぞれでありましょうが、でも肝心なのは、過去にどのような体験をしたのかではなく、「今、何をお聞かせいただいているのか」、それを問うていく自らの姿勢といいますか、そこで聞かせていただく体験こそが重要なのではないのかなぁと思ったわけであります。

災害に遭われて命を落とされた方々、 そこに苦悩を抱えて生きておられる方々、 その方々の体験は、人が取って代われるものでは決してありませんし、たとえ共感や理解を得られたとしても、それは一時的に役立つことはあっても、結局、何の力にもなれないのです。
人の体験に共感するも・しないも、そんなことを常に自分目線でほざいている私ってどんなん? なんなん? そこの視点が抜けてるんとちゃうの? と、震災のイベントを見て問われたのであります。
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