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因果の道理 [心]

仏教は、「因果の道理」を教えてくださいます。
「因果の道理」とは、自分のやったこと(因)に、自分で責任(果)を取っていかねばならない、ということでありますが、情けないことに、私は自分のしたことに責任を持つことが出来ません。
ですから言葉を変えて言うならば、「因果の道理」とは、自分がやっているすべてのこと(因)において、必ずその結果(果)を受けていかねばならないとの理にかなった道が定められている、と教えてくださっているのはないでしょうか。

因果の道理でよく言われますのは、「命」についてでございます。 私は自分が生きるために、当たり前のごとく他の命を糧にしているわけですが、一つの命を奪ったならば、その責任は自分が有する同等の持ち物で返していかねばならないということ、それが責任を果たすということでございます。
つまり、「私が生きるため」 という自分本位の理屈のもとに私が喰ろうた命であっても、その命を奪ったという事実、原因を作ったからには、この私の命でもってこれを返さなければならないという結果を必ず受けねばならないということ、それが「因果の道理」なのだよと教えていただきました。

よく、テレビのニュースやドラマ等で、殺人事件や交通死亡事故などの被害者家族らが、加害者に向かって、「オマエの命でもって償え!!」と言われる場面を目にいたしますが、これは人間同士の世界に限ったお話だけではございません。 鳥や、魚や、全ての動物にも私と同じように命があって生かされているのです。 それぞれに、たった一つしかない命なのです。
それを、「私は人間だから」と言って奪ってもよいという理屈など通用しないのが因果の道理です。
なぜならば、すべての命は平等だからです。 南無阿弥陀仏

もしも人間を食用とする生き物がこの地球に存在していたとして、「私は食べ物として生まれて来たのだから、どうぞ食べてください」と納得して食われることなど出来はしませんよね…、「この世は弱肉強食の世界、どうぞ強いお方さまが生きていかれるために私を食って下さいまし」などと、たった一つしかない自分の命を喜んで差し出す者などいようはずがありません。
それは、たとえ食用として育てられた牛や豚、鳥や魚にだって言えることです。
彼らにも心があります。 捕らえされ、屠殺される時には、殺されるということがわからなくても、「怖い!」と叫んでいます。 「助けて!」と懇願しています。
きっと私も同じです・・・。 「死ぬかもしれない、殺されるかもしれない」とは思っても、自分が死ぬとは思えずに、ただ 「助けて! 怖い! 殺さないで!」と、もがき叫ぶことしか出来ないと思います。

これをお読みくださった方の中には、「そんなこと、知ったこっちゃない!」と思われる方もおられると思います。 でも、私も同じなんです。 そんなの知ったこっちゃないんです。 私が生きていくためには、他の命を美味しく料理して、私の持っている五感と欲をただ満たしたい! それだけなんです。
でも、「その責任をとっていかなければならないんだよ」 と教えてくださっているのが仏さまの教え(仏教)であります。

しかし、先にも書きました通り、私にはその責任を果たすことができません。
私が生まれてからこの方、ましてやこの先どれほど生きられるのかはわかりませんが、その間にいったいいくつの命を奪うことになるのでしょうか? ちなみに、私の命は一つしかございません。

随分と都合のよい話ではございますが、私が食べ物として喰ろうている命のすべては、この私一人を生かすために、私の如来さまご自身の命を投げ出してくださっているのだと教えていただきました。
私が生きていくためとはいえ、私が喰ろうた一つの命の責任を私はその場ですぐに返すこともなく、今、こうして生かさせていただいております。 それは何故でしょうか?・・・・・・
如来さまがおっしゃるには、「何故に生かさせていただいているのか」を知るために、人間として生まれさせていただいたのだと・・・。
何故、人間として生かさせていただいているのでしょう? 
これを教えてくださっているのが仏教です。 「因果の道理」があるのだよ! と。
この世で如来さまが肩代わりしてくださっている私の責任を、次の生では私自身が受けていかねばなりません。
「因果の道理」は、「真理」です。 信じようと信じまいと真理なのです。   南無阿弥陀仏

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