SSブログ

東北地方太平洋沖地震 [随筆日記]

日本三景の一つである宮城県の松島。 その松島にほど近い小さな港町である七ヶ浜町に父の実家があります。 子供の頃、毎年夏休みを過ごした想い出深い場所です。
その町が、昨日の地震による津波に飲み込まれた後、石油コンビナートの火災によって今現在も黒煙を上げながら真っ赤に燃え盛っており、テレビに映し出されるその映像は、まるで地獄絵でも見ているかのようです。
塩釜の港町や、その他の海岸沿いに住む親戚の家々も津波によってさらわれたとテレビで報じられました。 でも、安否情報は一切わかりません。
少し離れた青森県三沢に住む妹とも連絡がとれない状態です。 電話はつながらず、メールを送っても返事がありません。

そんな状況を、冷静に傍観している私があります。 まるで他人事なのです・・・。
いえ、、、、、  他人事としてしまいたい私もいます・・・。

共に御法を聞かせていただく友人等から、「今回のこの大地震で無常を知らせていただきました」 と書かれたメールが何通か届く度に、私は、「へぇ~」と上から目線で感心するばかりです・・・。
確かに、「常はないなぁ~」 と 頭ではわかっているつもりにはなっていますが・・・
この災害で、身内の生・死が未だに確認ができない…。 たとえ生きていたとしてもどのような現状におかれているかまったくわからない…。
そんな状況の中にあっても、私は平々凡々とマイペースな自分の生活の中で、ノホホンとしながら必ず来ると信じている明日の為の準備をアレコレとしているのですもの・・・
私には、「無常」の「ム」の字もなければ、いかに自分が、「この世は常ならん」 ということがわかっていないかということが身にしみるばかりです。

地震に対しても他人事…、 無常に対しても他人事…、 つまり、自分の死に対しても全くの他人事にしてしまっている私なのです。

でも、一番に他人事としてしまいたいのは、観るに堪えない自分自身です。

悲惨な現状をテレビ映像で目にして、興奮する心は何?!
押し寄せる津波…、飲み込まれる家屋や車、そして人々…。 「助けてあげたい! いてもたってもいられない! 私に出来ることは何かないのかしら?!」 な~んてのは表向きで、 「おぉ~、すごいよ~、津波だよ~! あらら~ぁ…」 なんて・・・、 テレビに映し出される映像が悲惨であればあるほどに逸る心が湧き上がってまいります。
“幸災楽禍(こうさいらくか)”  災(わざわい)を幸(さいわい)とし、禍(わざわい)を楽しむ。
つまり、他人にふりかかった災いを見て喜び、人の不幸を己の幸いとして楽しんでいるような心が、ここ(私)にはあるのです。  反吐が出ます・・・。  そんな恐ろしい自分・・・、認めたくないですよ・・・。

今回の件で、「も~ぉ イヤ!!」というほどに観せられた自分に対して、「許せない!」と 自分を責めても何も始まらない・・・ と言われれば、それはそうかもしれません。
深く 深く 内観したところで、我が悪性は果てしなく深く、際限のない闇が広がるばかりです・・・
だけど、あまりにも簡単に、「こんな私だからこその如来さまの御本願でした、 私には“南無阿弥陀仏” だけです!」 というところに スッと収まってしまうほど、仏法を聞くとは甘いものではないと思うのです。

仏法を聞くとは、聞かせていただいた方程式に自分の心を乗せることではありません。

際限のない深い 深い この私の闇を観ると言うのは、とても とても辛いことです。 仏法を聞くというのは、本当に 本当に 厳しいことです。
でも、深く知れば知るほどに、もっと もっと 深い大悲の御心にふれさせていただくことが出来ます。
厳しければ厳しいほどに、大きくあたたかな如来さまの慈悲の御心に出遇わせていただくことが出来ます。 だから南無阿弥陀仏なのです。 
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

二つの質問頭、愚者愚者 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。